教員になりたいけれど、公立・私立・日本人学校、どこに行くのが自分に合うのかな?
公立学校に勤めているけれど、辞めて私立や在外教育施設で働いてみたい。どんなところが違うのだろう?
公立・私立・在外教育施設での教員経験がある私が、そんな疑問にお答えします。
こんにちは、現役教員のウサ(@usab1og)です!
私は私立高校での勤務経験が約5年半、公立中学校での勤務経験が約半年、在外教育施設での勤務経験が約1年という特殊な経歴です。
あくまで私が勤務していた学校を基準に書いているので、各学校によって異なる部分はあると思います。
この記事では、以下の3点について、公立・私立・在外教育施設(日本人学校)の特徴を書いていきます。
公立学校の特徴
給与・待遇
自治体によって、給与は異なりますが、一般的に事務系の地方公務員より少し高いです。
都会ほど高く、田舎ほど安いです。ボーナスは年2回で、大体4ヶ月分くらい貰えるイメージです。
公務員になるので、待遇は公務員としての待遇を受けることができます。福利厚生はバッチリです。
休職制度なども充実しています。
生徒の質
小・中学校
小・中学校は、義務教育なので生徒を選べません。
都会の学校ほど、良い生徒は私立に流れてしまうので、その分荒れているイメージですが、地域によると思います。
総合的には、生活指導が大変だと思いますが、地域性によるので一概には言えません。
高等学校
ある程度入試で絞られるので、同じような学力の生徒が揃います。
当然ながら、高偏差値の学校は学習指導が大変、低偏差値の学校は生活指導が大変になります。
働いて思ったこと
圧倒的に研修が多い
圧倒的に研修が多いです。初任者は特に研修ばかりです。
初任者でなくとも、研修や研究授業など、実際意味があるのかどうか?という研修が多いです。
決裁を取る回数が非常に多い
非常に公務員だなぁと思うのが、書類などの決裁を取る回数が非常に多いです。
そんなものにまで管理職の印が必要なの?思ってしまうことも多々ありました。
赴任した学校が合わなかった時に異動願いを出せる
赴任した学校が自分に合わないことは多々あります。
その場合に退職ではなくて「異動」という選択肢を取れるところが公立ならではだと思いました。
休職・産休しやすい、時短勤務しやすい
自治体にもよると思いますが、「休みやすい」環境が作られていると思います。
そういった環境があるのに「学校の先生は休めない」という人がいるのは、その人の責任感からきているのだと思います。
精神的にも身体的にも辛いことがある職業なので、休職して復帰される方や、産休を取得する方、時短勤務される方の数が非常に多いです。
休みやすい環境が作られていることは非常に良いと思いました。
私も公立中学校に勤めていたときに休職しました。
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私立学校の特徴
給与・待遇
これは「学校による」という表現が適当だと思います。
大学付属の学校・高偏差値の人気校(公立を蹴って進学するようなところ)は一般的に給与が高く、待遇が公立学校よりも良いと言われています。
逆に、公立の滑り止めとして受験するような学校は、公立学校と同水準または公立学校よりも低水準であることがほとんどです。
ちなみに、私が勤めていた私立学校は、「給与や待遇は公立学校に準じている」と言っていましたが、公立学校に勤めている友人と比較したところ、公立学校より低かったです。(公立の滑り止めとして受験される学校でした)
生徒の質
小・中学校
受験をして入学してくるので、ある程度の質を保てています。
高偏差値なほど学習指導が大変、低偏差値なほど生活指導が大変です。
また、「保護者が細かい」ことが多いです。ちょっとしたことでクレームになることも。
高等学校
公立を蹴って進学するような学校は、学習指導が大変で、エリート養成校という感じです。
公立の滑り止めとして受験するような学校は、生活指導が大変で、発達障害を持つ生徒がたくさん入学してきます。(保護者が面倒見の良さを求めて入れてくる場合も非常に多い)
働いて思ったこと
給料は本当に学校による
私が長く勤めていた私立学校は、公立学校に及ばないくらいの給料でした。
しかし、半年ほど勤めた都会の私立中高一貫校(大学附属)は、非常勤なのにボーナスありで、福利厚生も専任教諭と変わらず、高待遇でした。(その学校の専任教諭の給料は公立なんて足元に及ばないくらいの額でした)
自由度が高い
公立よりも自由度が高いです。授業でも、LHRでも、イベントでも、なんでも自由度が高いです。
公立だったらいちいち決裁を回さなければいけないようなことも、私立では学年主任に確認するだけで実行できたり、保護者とのやりとりもかなり個人に任されていたりします。(その分個人の責任が重い)
私はこの自由度が非常に魅力的だと思っているので、公立学校には2度と勤めたくないなと思っています。
研修が少ない
公立よりも圧倒的に研修が少ないです。
各都道府県の私学協会が開催する研修はありますが、公立の教員ほどの回数はありません。各学校での研修もありますが、公立の比ではないです。
必要なことは必要な時に教わるというスタイルです。
教員の入れ替わりがないので、人間関係が大変
教員の入れ替わりがなく、ずっと狭い中で同じメンバーで働いていくことになるので、人間関係が大変です。
私が勤めていた学校は超体育会系で、お局も存在していたので、人間関係構築が大変でした。
お局からの嫌がらせは、やばかった。。。
産休・育休は取得しやすいが、時短勤務と休職はしにくい
産休・育休は取得しやすいですが、時短勤務と休職はしにくいです。
時短勤務や休職をするくらいなら辞めてくれという学校が多いような気がします。
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在外教育施設の特徴
給与・待遇
基本は現地通貨払い。現地の物価に給与が左右されます。
ボーナスありか、年俸制かも現地の制度に左右されます。
福利厚生は、国内の学校に比べたら全然ダメです。自腹で保険に入らなければいけないこともあります。
学校によっては、家賃手当がなかったり、車がないと生活ができないので自分で車を買ってくださいねというところもあります。
私は欧州の在外教育施設勤務で、日本とあまり物価が変わらないので、日本の私立学校と同水準の給料を頂いています。
生徒の質
小中高通して、海外赴任者の御子息が多いから、学力が高い子が多いのでは・・・?と思われがちですが、そうでもありません。かなりばらつきがあり、発達障害の生徒の比率も高めです。
また、国内の学校の生徒と比べて「愛情不足・ひねくれている」生徒が非常に多い印象です。(学校によると思いますが)
保護者は日系の学校ということでかなり求めるものが多いので、クレーム気質の方が多いです。
日本人学校にも公立系(厳密には公立ではない)と私立系がありますが、どちらもあまり状況として変わらないと聞いています。
働いて思ったこと
思っていたよりも英語力が必要
私はビザを取るのに必要な英語力程度しかないまま赴任しましたが、職場の60%以上が外国人なので思っていたよりも英語が必要でした。
副担任も外国人で、英語しか話せない人なので、私の語学力の低さでコミュニケーションを上手くとれないことも・・・
仕事のメールも半分以上が英文メールで、もっと英語を勉強してからいくべきだったと思いました。
即戦力の教員が求められているのに、現状は未経験者が多い
在外教育施設の教員は「少数精鋭」を求められているのですが、実際国内にいる優秀な先生は物好きではない限り在外教育施設にいくことを選びません。
その結果、日本で講師経験数年の正規の経験がない人や、全く教員経験がない人が集まりやすくなっています。
教員としての能力を高めたかったら、在外教育施設は選ばない方がいいなと感じました。ある程度経験を積んでから勤めた方が生き生きと働けると思います。
あとは、地味に、「在外教育施設での教員経験は、公立学校の教員採用試験時に優遇されない」です。(他の教員の場合は試験免除等の措置がありますが)
なので、公立学校にゆくゆくは合格したいという人は、青年海外協力隊の教育部門に申し込んで2年間派遣された方が、公立学校教員採用試験で有利になります。
小さな職場なので人間関係が大変
これは私立学校と同様です。
小さな職場なので、人間関係が大変です。私立学校と違って数年ごとに人の入れ替わりがありますが、それでも大変だと感じます。
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自分に合ったところを選ぼう
教員になる、というと、一般的には公立学校の採用試験に合格するのが一番いいと考えられていると思います。
でも、公立学校って一番メンタルを病んでしまう人が多いのです。それはなぜでしょうか?
私は絶対に自分に合った学校を選んだ方がいいと思います。
公立向きの人もいれば、私立向きの人もいると思います。
私自身は、私立学校でしか働けないな〜と思っているくらい、公立学校が合いません。
自分に合った学校を一発で見つけるのもなかなか難しいと思うので、何度か転職してもいいと思っています。
みなさんが、働きやすい学校を見つけられますように。
この記事が悩んでいる方の参考になったら嬉しいです。
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