【書評】人生が変わる!先生のための仕事革命ワークブック

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こんにちは、現役教員のウサ(@usab1og)です!

たまたま学陽書房が募集していた読者モニターに応募してみたら、このブログのおかげで(?)当選。「人生が変わる!先生のための仕事革命ワークブック(澤田真由美)」という本が送られてきました。

本の書評を書くのは初めてなのですが、個人的な書評を書いてみようと思います。

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 人生が変わる!先生のための仕事革命ワークブック

著者・出版社

著者は澤田真由美(さわだまゆみ)さん。東京・大阪の小学校教員として約10年間勤務。教師として悩み抜いた自身の経験から、技術も心も豊かな教育者を増やしたいと、2015年に独立し『先生の幸せ研究所』を設立。各校種の学校、教育委員会等に置けるコンサルティングや公園等実績多数。「先生のゆとりは子供の輝きに直結」を広めるべく、地域・保護者の啓発も手掛けている。出版社は学陽書房

この本のメインテーマ

生き生きした自分の人生を取り戻そう!

仕事量が多くて仕事が終わらない…もっと自分らしい生活がしたい…

そんな先生たちのために、自分の考え方、仕事や時間の使い方を見直す簡単なチェックリストとワークが用意されています。

自分の現状

高校教員として勤務。定時に上がる人は稀な職場。

ここ数年で、働き方改革と称し、退勤時間の制限や有給休暇取得のルール等が変わってきていますが、業務量等の改善は特になし。まだまだ「遅くまでやっているからえらい」という雰囲気や「休日も当然働く」という風潮が残っているような感じがします。定時は16時半なのですが、生徒は学習や部活動で20時位まで学校にいるような状況なので、帰りにくいという現状もあります。

自分自身は、基本的に放課後に部活動と教科の個別指導以外の業務を残していません。日中の空き時間に教材研究や学年の仕事、部活動の雑務等を終わらせています。学年で生徒を残す時だけはそれに合わせて残っていますが、その他の日は自分の業務と学年の業務を放課後にやり残しがないかどうか見渡してから帰っています。ですので、この本がターゲットにしているような「働きすぎ」「仕事に追われている」教員ではないと思います。(多分)

初任から3年目までの私は、朝早く登校し、夜も20時を超えてから帰るのが当たり前でした。帰ったら寝て起きてまた学校へ。生徒が大好きなので全く苦ではなかったのですが、人間らしい生活を送っているのかといえば、微妙なところでした。幸い休日に部活動を行わないことにしていたので、休日は休んでいましたから、土日返上で部活を頑張っている先生からしてみれば人間らしかったかもしれません。

教員が苦労する点としては、業務量の多さの他に教員同士の人間関係があります。こちらも幸い教科も学年もいい人に恵まれて過ごしています。私が女性だからなのか、人間関係において足を引っ張ってくるのは女性しかいません。

共感した箇所

自分に投資しよう!

学校はとても閉鎖的なので、学校と家だけを往復していると本当に人間関係が固定されてきます。特に私立の場合は教員の入れ替わりが少ないので、より一層閉鎖的になります。

そんな教員こそ、自分に投資することが大事だと私も思います。部活動でそれどころじゃない人も多いと思いますが。私自身習い事にいくつか通っています。他の生徒さんは歳上の方ばかりですが、これがまたとても楽しい。いろいろな話ができるのでストレスが吹き飛びます。一般企業に勤めてる方と毎週話せるというのも見識が広がって良いです。(教員になる前に一般企業で働いておけばよかったと毎度後悔しますが)

あとは少し交通費をかけて、首都圏にいる友人や先輩後輩に会いに行くのも良いなと感じました。今年の夏と冬は大学卒業以来会っていなかった人たちに、恩師や卒業生も合わせて約50名ほど会ってきました。(普段卒業生にはそこまで積極的に会っていないのですが、今年はいろいろ理由があって積極的に会いに行きました。そのことをよく思わない人がいて大変でした苦笑)学校外の話を聞くこと自体が刺激になりますし、何より自分の知らない世界の話がたくさんで、自分が井の中の蛙大海を知らず状態だなと思いました。

ワークライフバランスを整えると広い視野を持てる

これは必然的だなと思います。やはり、外の世界を知らずにワークに偏っている人は教員に限らず視野が狭い。というか、自分の価値観を押し付けたがる人が多く、弟子や子分と表現されるような、自分に付き従う後輩を作りたがります

教師という職業は、未来を生きて行く子どもを育てるのが仕事ですから、社会の動きをキャッチして教室に反映させたり、自分自身の中に多様性を持っていることが必要です。ワークライフバランスを整えて、いろいろな出会いや経験をすると、必然的に多様性を持つことにつながると思います。

<ワークライフバランス度チェックをやってみました>

☑︎丸つけやミスの対応に時間を取られることは滅多にない

⇨丸つけに時間を取られるのはテスト期間だけ、ミスの対応もそこまでない。

☑︎平日夜に自宅で就寝準備以外の時間がある

⇨平日夜は習い事に20:30以降行くことにしているのでそれなりに楽しい。

□自分の健康を保てる睡眠時間を確保できている

⇨なんだかんだで睡眠時間は5時間以下かもしれない。

□教室も職員室も居心地がいい

⇨教室の居心地が良すぎて全休み時間を教室で過ごしている。お昼も教卓で。職員室は居心地がいいかはよくわからない。ということはよくはないのかもしれない。笑

□持ち帰り仕事を含んでも、通常起きてから13時間以内に仕事を終えている

⇨通勤に50分かかるので、起床5:30。13時間後は18:30。その時間に退勤している時の方が少ない。

☑︎朝から自分で退勤時刻を決めている

⇨効率よく物事を進めるための基本だと思う。生徒と話したり面談をするときも必ず時刻を決めている。会議もそうすればもっと有意義だと思うのだが。

☑︎休日は仕事以外のやりたいことをする時間と体力がある

⇨体力がないときもあるが、寝る時間があるので解決!

□今の働き方が定年まで続いても大丈夫だ

⇨大丈夫といえば大丈夫だが、改善の余地ありという感じ。

□家族や自分のことや健康管理は後回しにせず大切にしている

⇨生徒第一。後回しにしまくり。

☑︎家と学校以外にも居場所(サードプレイス)がある

⇨いろいろある。そのおかげで家や学校で何があっても全然平気。

チェック5つだったので、仕事どっぷり先生&おつかれ先生でした。笑

子どものために私生活を投げ出しがちかもしれません。

完璧にできていない自分を責める先生たち

完璧にできていない自分を責めたり、他の先生を責める先生がよくいます。「教員なんだから〜すべき」とか「もっと〜ねばならない」とか、そういった思いが強く、自分や誰かを責めたり笑顔でいられなくなったりしている人は多々います。人によって価値観は様々で、教員だけでなく生徒や保護者だってそうだと思います。

この本で例に挙げられていたのは「お箸の持ち方」。とある先生はお箸を正しく持てない人を厳しく叱っていたそうです。その先生の価値観の背景には、幼少期に両親からお箸の持ち方で厳しく叱られたということがあるそうなのですが、それがその先生自身に「お箸を正しく持てないことは、厳しく叱られるべきだ」と刻み込まれてしまったわけですね。なので、無意識のうちにお箸を持てない人を心の中で責め、厳しく指導しなければと反応してしまっていたのかもしれません。価値観は、親や先生の一言、テレビのワンシーンなど強烈な経験では深く刻み込まれます。

お箸の持ち方が正しくなくても全く気にならない人とものすごく気になる人がいます。お箸に限らず、あらゆることに対してそういえます。

自分が誰かの行動にイライラしているのに、相手が全く気にしていないようであれば、それは相手が自分に不快な思いをさせていることに気がついてすらいない可能性がありますし、自分にとってなんともないことでも、誰かに自分の言動を注意されたならば、相手にはそれが「不快なことである」という価値観があるということになります。

人は誰しも、たくさんの価値観や思い込みを持って生きています。それらとうまく付き合って行くべきです。

特に、教員が皆画一的な指導、考え方を持っていたら最悪だと思います。教員こそいろんな人がいて、多種多様だからこそ、生徒にとっていい教育となるのではないでしょうか。教員の中には、自分の考えを押し付けるのが好きな人がいますが、うまく受け流して行くことも大切です。

保護者とうまく付き合い突発対応を減らす

保護者とうまく付き合うことは仕事を円滑に進める上で必須です。私は部活動よりもクラス経営の面においてこれを大切にしています。部活動では父母会等あると思いますが、クラス経営では保護者会等が多く行われていない限り、なかなか保護者との関係を構築することが難しいと感じます。

私は高校に勤めているので、手っ取り早いのが「クラスの生徒の部活動の試合や発表を観にいくついでに保護者と話をして仲良くなっておく」ことかなと思い、今年はそれを実践しました。結局これは休日返上して趣味で生徒の試合や発表を観に行くことになるので、万人に使える手段ではないと思います。しかし、かなり有効でした。保護者からの信頼を得ることはクラス経営においてかなり有利です。PTA関連のお仕事を誰かに頼まなければいけない時も、自分のクラスの複数の保護者にお願いすることができました。何かトラブルがあった時や、生徒に対して厳しめの指導をした時も快く受け入れてくれるので大事なことだと思います。

他にも共感できる項目はたくさんありましたが、載せすぎてもよくないので、このくらいにしておきます。

その他の感想

  • 勤務環境によっては、書いてあることに同意はできても実践が難しいかも
  • ワークがたくさん掲載されているので、やってみることをオススメする(ほとんどの先生は何か気づくことがあると思います)
  • やっぱりおかしいよねぇ。と麻痺していた自分に気づくかもしれない
  • 教員として悩んでいる人にもオススメだが、この本はむしろ「教員として楽しく仕事をしている人」に薦めるべき
この記事を書いた人
ウサ

30歳、高校教師(数学・情報)。
教職歴は学生時代のアルバイトも含めると10年以上。
SBT1級メンタルコーチ、銀座コーチングスクール認定コーチ。
ブログでは主に教育・教員について情報発信しています。

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コメント

  1. いちご より:

    ウサさん、こんにちは。いつも楽しく拝読してます。同業者ということもあって、ウサさんが自己研鑽に励んでいらっしゃる姿を見ると自分も頑張らないとなあ、と励みになります。書評おもしろかったです。自分は今の働き方に特に不満はないのですが、時間があるときに読んでみようと思いました。私も兎に角クラス運営を最優先しているのでうまく仕事が回っていますが、ウサさんは休み時間も教室で過ごされているんですね。自分も見習いたいですが、ずっと立ちっぱなしって疲れませんか?

  2. f09847um より:

    いちごさん
    休み時間も、お昼休みも、今年度は教室で過ごしました。
    休み時間は立ちっぱなしですが、生徒と関わるのであまり疲れは感じませんでした。
    お昼休みは教卓で生徒と話しながら食べましたよ。
    クラス経営も、生活指導もかなり楽になりました。

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